設備台帳は、買い手が引継ぎ後の生産計画と投資負担を検討するための資料です。購入額や年式に加え、処理可能なワーク、安定稼働の条件、故障時の代替、浴・治具・排水との組合せを整理します。
設備をライン・工程ごとに対応させる
浴槽だけを一覧にせず、前処理、水洗、めっき、後処理、乾燥、検査、排水までをライン図でつなぎます。設備番号、場所、所有区分、対応工程、保全担当を共通の番号で管理すると、現物と記録を照合しやすくなります。
台帳に追加したい項目
| 対象 | 設備の情報 | 承継時の確認 |
|---|---|---|
| 浴槽・搬送 | 槽寸法、有効容量、ライン方式、対応ワーク | 実際に流せる寸法・重量と受注上の制約 |
| 整流器 | 型式、定格、制御方式、保全・故障履歴 | 工程との対応、予備機、修理や部品調達 |
| ろ過・温調等 | ポンプ、ろ過、攪拌、加熱冷却の構成 | 停止時の影響、点検、交換周期 |
| 治具・付帯設備 | 所有者、図面、接点、剥離・補修の履歴 | 顧客支給品と自社資産、製作・補修担当 |
| 検査機器 | 測定対象、型式、校正・点検、使用手順 | 要求仕様との対応、検査員と記録の引継ぎ |
| 工場インフラ | 電力、給排水、換気、排水処理、建屋 | 生産増への制約、契約、修繕・更新予定 |
定格能力と実際の生産能力を分ける
定格値から月間生産能力を単純に算出せず、段取り、品種、検査、治具、作業員、後工程、排水処理の制約を確認します。受注を断った理由、外注へ回した工程、故障停止、再処理の実績は、現場の強みと限界を説明する資料になります。
増産余地を説明する場合は、現在の人員・設備で対応できる範囲と、追加の採用・投資・顧客承認が必要な範囲を分けます。買い手の営業力が加わるだけで生産量が増えるとは限りません。
品質資料と設備番号を結び付ける
膜厚・密着・耐食性等の要求、検査成績書、校正、工程条件と設備を対応させます。評価方法には複数の種類があるため、使用する測定・試験方法と顧客仕様を確かめ、検査員の判断基準も引き継ぎます。参照:全国鍍金工業組合連合会・めっきの評価。
更新計画は緊急度と操業への影響で整理する
直ちに対応が必要なもの、一定期間内に更新するもの、増産のために追加するものを区別します。取得費だけでなく、撤去・据付、配管、試運転、認定確認、操業停止の期間も確認してください。見積り未取得の概算は、確定した費用と区別します。
現地確認までにそろえたい資料
- ライン図、設備台帳、保全・故障履歴、修理見積り。
- 賃貸借・リース、顧客支給設備、外注先所有設備の区分。
- 点検・校正、作業手順、操作できる担当者と代替要員。
- 更新時の生産振替、顧客への説明、環境設備への影響。
機密性の高い工程条件や顧客専用治具の情報は、開示先と目的を確認して段階的に共有します。
