技能・品質の引継ぎ
医療機器部品の無電解ニッケル処理を行う会社からの承継相談。トレーサビリティと品質記録を整理し、精密部品メーカーに引き継ぐ担当者の役割や確認事項を検討しました。
当社に実際に寄せられたM&A相談をもとに、関係者のプライバシーおよび秘密保持に配慮し、一部の内容を加工・再構成して掲載しています。
相談の背景
医療機器部品の無電解ニッケル処理を行う会社から、トレーサビリティを含む品質管理と承継のご相談をいただきました。社長やベテラン社員に工程の知識が集まり、若手への技能承継も課題となっていました。
排水処理設備や検査機器の更新も見据え、精密部品メーカーなどへの承継を検討していました。工程を引き継ぐ際に、品質をどの資料で説明し、誰が運用を支えるかを整理する必要がありました。
重視した条件
既存顧客への品質と納期、従業員の雇用を維持することを重視しました。液管理や外観判定を担う社員の経験を含め、候補先が現場を理解して引き継げるかを確認事項にしました。社長が関与する期間や、検査機器の更新負担も条件として検討しました。
整理したポイント
検査成績書、品質認証に関する資料、クレーム履歴、再発防止記録を確認しました。トレーサビリティに関する現在の説明資料と担当者が把握する内容を整理し、追加で確認する事項を分けました。記録を集めることと、日常の運用を説明することをあわせて進めました。
顧客別・工程別の売上、浴槽や治具、検査機器、排水処理設備の状況も確認しました。薬品や排水に関する資料の所在を整理し、候補先への開示は秘密保持に配慮して段階を分ける方針としました。品質に関する情報も、資料の内容と現場の説明を対応させて伝えることを重視しました。
同じ課題をお持ちの方へ
品質記録の引継ぎでは、資料の所在に加え、誰が記録を把握し判断しているかを明確にすることが大切です。確認できている情報と不足する事項を分けておくと、候補先に求める管理体制を具体的に話し合えます。